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小林よしのり
2014.4.3 06:42

白馬事件、関係者を責める朝日新聞記者


村山談話・河野談話に未来はあるか?

48回 スマラン慰安所「白馬事件」(その4)

 

オランダにまで慰安婦問題の「火つけ」を目論んだ

朝日新聞は、「白馬事件」のBC級戦犯裁判で

懲役2年の判決を受けた石田英一元大尉

(記事では「Aさん」)を取材し、記事にしている

1992830日)。

 

石田氏はこう語っている。

慰安婦のなかには自由意思ではない者もいた。

私はキリスト者であり、信仰上の理由もあって

慰安婦関係の仕事をやめさせてくれるようにいったが、

聞き入れてもらえなかった

慰安婦関係の仕事が嫌だった石田氏は、

BC級戦犯裁判で被告側に不利なことも隠さず

話したため、途中から一人分離して審理され、

判決は有罪の被告の中では最も軽くなった。

 

一方、石田氏の証言は他の被告の尋問に使われ、

その立場を不利にした。

石田氏は「良きキリスト者にふさわしく行動する

ことができなかったことを後悔」する一方で、

「軍人として上官を擁護することができなかった」

立場を「ユダ」に似ていると語る。

 

さらに石田氏は、自分が抑留所から女性を連行する

際の責任者だったとする裁判での陳述を否定し、

「抑留所へ行ったのは一回だけ。それも門の外で

立ち会っただけ」と朝日の取材に言った。

 

だがこれに対して朝日の記者は石田氏に、その時同行

したのは警察官や慰安所経営者であり、その中では

当時陸軍中尉だった石田氏が「連行の責任者」だった

はずだと糺し、実質的にそれを認めさせる。

そして「Aさんは自分とこの事件のかかわりを

できるだけ小さく見せようとする発言が目立った」と

責めるような筆致で書いている。

その態度は新聞記者というよりも、まるで

「検察官」だった。

(つづく)

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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